2010年 02月 14日
ワークアンドライフバランスの議論で見落とされがちな視点 |
Twitter上で話題になってたので乗ってみる。図とか入れたり長めの文章の時はやっぱりブログだよね。
ワークアンドライフバランスを標榜する会社は増えて来たけど、ちょっと考えるとこの問題は余暇を増やしたり残業を減らしたり育児休暇制度の履行率を上げたりするだけで解決する問題じゃないことが分かる。
そもそも、高離職率とか職業人生が不幸せである状態は単に仕事の時間が長すぎることが単独の原因ではないから。仕事のアウトカムが期待値を下回ってしまう時の原因としては、大きく分けると以下の二種類の方向性に分けられると思う。
1.頑張りすぎやライフステージの変化による仕事の負荷のキャパ超え
上記のような制度上のサポートであったりする部分は、「仕事とのフィットがある」というのが大前提になっている。つまり、好きなんだけど頑張りすぎて普段は持っている創造的な問題解決ができなくなってしまったり、仕事以上に優先すべきこと(家族の事が多いと思うが)が頭から離れなくなるためにパフォーマンスが下がったり。
いわゆるホワイトカラーの仕事は、仕事の質と量のバランスが大事なので、自身にとっての負荷の最適値を外れるとあれれ?というようなパフォーマンスになってしまうことがあると思う。それが下の図でいうと"C"の象限に入る人たち。最適値は同じ人であっても常に変わる。
そもそもこの人たちは仕事は好きだし向いてるので、会社が負荷を調整することで"B"の象限に戻してあげればまた元気に働きだすし、会社を辞めたりすることはない。
逆にキャパに余裕があるのに無理やり仕事を取り上げられたりすると、"A"の象限の人も会社を辞めちゃうかもしれない。とにかく、部下を如何に"B"象限にキープできるかという上司の力量と、会社の制度との総合力で社員の活き活き度が変わるわけだ。 僕はこの手の問題については、「ワーク&プライベートバランス」と呼びたい。
ではもう一つのパターン。
2.そもそもその仕事とのフィットがない
賢明な読者に皆さんには上のチャートを出したうえでこれ以上説明するのは野暮な気もするが…。
仮に今"F"の象限にいる社員がいたとしよう。じつは「仕事に対するストレス」とか、「会社に対しての不満」とか、表面上は"C"やともすると"A"の象限にいる社員とそっくりな様子が見られるかもしれない。
そこで心やさしい会社と上司が、「おお、そうか。君はライフアンドワークバランスが乱れているようだ。ここらで労働時間(僕はこの言葉が嫌いだ)を減らすことを許可し、産休についても3カ月多めにあげよう」と言ったとする。
これが"C"の社員であれば効果てきめん。離職される確率は大幅に下がり、ハイパフォーマーなスター社員に社の屋台骨でい続けてもらうことができるだろう。
ところがこの社員が"F"象限の社員であればどうだろう。"F"から"E"の象限に移っただけで、仕事の満足度は変わらない。だってもともと好きじゃないんだもん。さらに負担を減らして"D"の象限に移ったって結果は同じ。
こういう人は、ローテーションで仕事を変えてあげるか適性を生かせるような仕事のスタイルを身に付けられるようにじっくりコーチングしてあげるか、それでもだめならほかの職を探すものまた一考かもしれない。
これは、「ライフ&ワークフィッティングの問題」とでも言おうか。
なぜここで敢えてライフを入れたかというと、そもそもその人の人生のゴールや価値観、性格や物事の取り組むスタンス適性などを見極めないと解決しない問題だから。
逆にこの人たちも、一度フィットが見いだせればまさに水を得た魚のようにハイパフォーマーのなる可能性を秘めていると思う。
しかし難しいのは"C"と"D"~"F"の違いの見分けがきちんとできるかということと、"D"~"F"の象限にいる場合のそこからのリカバリーか。肝は、中間管理職がどれくらいきちんと部下に状態を把握しているか・自身のフィットに目をそむけずに仕事をしているかだと思います。
ワークアンドライフバランスを標榜する会社は増えて来たけど、ちょっと考えるとこの問題は余暇を増やしたり残業を減らしたり育児休暇制度の履行率を上げたりするだけで解決する問題じゃないことが分かる。
そもそも、高離職率とか職業人生が不幸せである状態は単に仕事の時間が長すぎることが単独の原因ではないから。仕事のアウトカムが期待値を下回ってしまう時の原因としては、大きく分けると以下の二種類の方向性に分けられると思う。
①頑張りすぎやライフステージの変化による仕事の負荷のキャパ超えそれぞれについて見ていこう。
②そもそもその仕事とのフィットがない
1.頑張りすぎやライフステージの変化による仕事の負荷のキャパ超え
上記のような制度上のサポートであったりする部分は、「仕事とのフィットがある」というのが大前提になっている。つまり、好きなんだけど頑張りすぎて普段は持っている創造的な問題解決ができなくなってしまったり、仕事以上に優先すべきこと(家族の事が多いと思うが)が頭から離れなくなるためにパフォーマンスが下がったり。
いわゆるホワイトカラーの仕事は、仕事の質と量のバランスが大事なので、自身にとっての負荷の最適値を外れるとあれれ?というようなパフォーマンスになってしまうことがあると思う。それが下の図でいうと"C"の象限に入る人たち。最適値は同じ人であっても常に変わる。
そもそもこの人たちは仕事は好きだし向いてるので、会社が負荷を調整することで"B"の象限に戻してあげればまた元気に働きだすし、会社を辞めたりすることはない。
逆にキャパに余裕があるのに無理やり仕事を取り上げられたりすると、"A"の象限の人も会社を辞めちゃうかもしれない。とにかく、部下を如何に"B"象限にキープできるかという上司の力量と、会社の制度との総合力で社員の活き活き度が変わるわけだ。
ではもう一つのパターン。
2.そもそもその仕事とのフィットがない
賢明な読者に皆さんには上のチャートを出したうえでこれ以上説明するのは野暮な気もするが…。
仮に今"F"の象限にいる社員がいたとしよう。じつは「仕事に対するストレス」とか、「会社に対しての不満」とか、表面上は"C"やともすると"A"の象限にいる社員とそっくりな様子が見られるかもしれない。
そこで心やさしい会社と上司が、「おお、そうか。君はライフアンドワークバランスが乱れているようだ。ここらで労働時間(僕はこの言葉が嫌いだ)を減らすことを許可し、産休についても3カ月多めにあげよう」と言ったとする。
これが"C"の社員であれば効果てきめん。離職される確率は大幅に下がり、ハイパフォーマーなスター社員に社の屋台骨でい続けてもらうことができるだろう。
ところがこの社員が"F"象限の社員であればどうだろう。"F"から"E"の象限に移っただけで、仕事の満足度は変わらない。だってもともと好きじゃないんだもん。さらに負担を減らして"D"の象限に移ったって結果は同じ。
こういう人は、ローテーションで仕事を変えてあげるか適性を生かせるような仕事のスタイルを身に付けられるようにじっくりコーチングしてあげるか、それでもだめならほかの職を探すものまた一考かもしれない。
これは、「ライフ&ワークフィッティングの問題」とでも言おうか。
なぜここで敢えてライフを入れたかというと、そもそもその人の人生のゴールや価値観、性格や物事の取り組むスタンス適性などを見極めないと解決しない問題だから。
逆にこの人たちも、一度フィットが見いだせればまさに水を得た魚のようにハイパフォーマーのなる可能性を秘めていると思う。
しかし難しいのは"C"と"D"~"F"の違いの見分けがきちんとできるかということと、"D"~"F"の象限にいる場合のそこからのリカバリーか。肝は、中間管理職がどれくらいきちんと部下に状態を把握しているか・自身のフィットに目をそむけずに仕事をしているかだと思います。
by hamp-stead
| 2010-02-14 11:55
| ②社会・経済