2007年 07月 22日
Behind his back. |
この前乗ったタクシーの運転手さんに、「Sharatonまでお願いします(会社の名前を言うよりも正確に伝わる)。」といったら、「へぇー、Sheratonにお勤めかい?」といわれて「いえいえ、その前にある会社です。」「あそこは外国人多いでしょ?」と始まった会話。
彼は大手家電メーカーを顧客に持つ中小企業に入社して、数十年勤めたあと、48歳でマレーシアに新しい工場を立てる責任者に任命されたらしい。確かにいつも流しで乗せてくれるタクシーの運転手さんとはなにか雰囲気が違うなーって感じだったんだけど、バックグランドを聞くうちに少しずつ納得しました。
彼曰く、性格的には”どうにかなるさ!”が信条らしく、その時点(48歳)でまったく英語がしゃべれないにもかかわらず、喜んでその辞令を受け入れたらしい。現地に赴任するまで3ヶ月しかないなかで勉強した後に日本を発つ。現地に着いたものの、マレーシア人が話している英語はほぼ100%わからず、そして雇ったマレーシア人の間でやり取りされる言語(書面・口頭)の70%くらいはマレー語だったらしい。
それでも、数ヶ月たって工場内外で彼らと体当たりでコミュニケーションをしているうちに不思議と何を言いたいかがわかるようになってきたそうだ(彼曰く、正確に言語を理解するというよりも、何か言いたいかが”伝わる”という感覚が近いらしい)。日本で勉強していたときには頭の中にまったく定着しなかった語彙も、毎日使っていると不思議と忘れず、そのあたりから英語・馬語力がすごく伸びたと言っていた。
ようやく言語の壁を乗り越えたと思った次にやってきたのが、文化の壁。知ってのとおりマレーシアはイスラム教が国教であるため、生活習慣もその点に非常に強く影響を受けている。大変だったのは一日5回のお祈り。昼になると工場の機械を勝手に止めたり、問題が起こっていてもお祈りの時間になると完全に無視されるし、そこではかなりぶつかったらしい。雇用主と被雇用者の義務について話したり、懲罰をルールとして明文化したり、仕事に対する責任感を持ってもらうためにひたすらに話し込んだり、きっと大変だったことと思う。このあたりは「燃ゆるとき(小説・映画)」のメキシコ市場参入時のエピソードに通ずるものがある(Review@横浜遊学記)。
最終的に時代の流れにうまく乗った彼の会社は、大手からの受注を集中的にもらえるようになり、マレーシアの工場は規模拡大を続けた結果現在は1,000人規模になっているそうだ。それでも現地赴任の日本人は二人。その人数の少なさは逆に、現地に社会の一部として受け入れられ、うまく機能していることを示唆しているように感じられた。
余談だけど、現地で工場を建てるとそこは日本の領地になるらしい。よって、製品の納品先がが100m先にあったとしても、Invoiceを発行して税関を通す必要があるのだとか。他にも一つ現地での都市伝説的なえぐいエピソードを聞いたのですが、ここで書くには憚れらるのでまた後日。
これは家から会社までの15分で交わした会話なのですが、自分で経営していた会社がつぶれて地元から夜逃げしてきた運転手さんの話に次ぐインパクト。おしゃべりなタクシーの運転手さんの話が、みんなこんな中身のあるものばっかりだといいんですが…。
*****
金曜日。
9:00pmにオフィスを出る。いったん家に帰って約束の場所に行くも理不尽なドタキャンを受け、芦屋の山奥に住むメイクを落として寝ようとしている友人を電話で襲撃して三宮へ。肉を食らい、Barに乗り込んだもののそこはアメリカの治外法権地帯かってほど外人しかおらず、ちょっと強がって挨拶はしてみたものの、またくるよ的なセリフを残して5分で退散。
なぜかものすごーくテンションがあがっていたので、テレビを買いました。友人には、「衝動買いじゃないよ、テレビを買うことは最初から決めていたんだ!」と強がってみたものの(それ自体はホントなのですが)、まさか夜中の三時にドンキホーテで買うことになろうとは夢にも思わず。42型地デジ対応で¥139,800。安いっちゃ安い。あとは寿命がきちんと持つかだなー。
ところでこの”byd:sign Corporation”て会社、安いので「中国か韓国か?」と思いきや、元Dell Computer日本支社の社長が起こした日本発のベンチャー企業なんですね。無駄を抑えて利益を消費者に還元。そしてテレビ一本と事業を絞り、中国の工場をハブにしてアジア全域を商圏として捕らえているあたり、Dellで培われた精神を柱に日系大手と中・韓が鬩ぎ合うプラズマテレビ業界に切り込んで行くんだって気合が感じられるね。
とりあえずWebを見たんですが、大手にありがちな”なんでも乗っけてみました”感はまったくなく、必要なものが必要な分載っている印象。また、”購入前の相談Call”なんてなかなかユニークじゃありません?消費者センターとは違うんです。店頭でリベートを払って販売員にプッシュしてもらえない分、こういうところにコストをかけてPenetrationをあげていくわけでしょうか。競合他社との比較論もしてくれるのだとしたら、これは面白いサービスだね。むしろ、一メーカーがやるのではなくて、こういうサービスがもっとPenetrationの高いToolを使ってできればみんな結構使うんじゃないかな。Webでは価格.comとか@コスメとかあるけど、時間をかけずに、ほしい情報をピンポイントでくれるサービスがあったら受けるとおもうなー。
彼は大手家電メーカーを顧客に持つ中小企業に入社して、数十年勤めたあと、48歳でマレーシアに新しい工場を立てる責任者に任命されたらしい。確かにいつも流しで乗せてくれるタクシーの運転手さんとはなにか雰囲気が違うなーって感じだったんだけど、バックグランドを聞くうちに少しずつ納得しました。
彼曰く、性格的には”どうにかなるさ!”が信条らしく、その時点(48歳)でまったく英語がしゃべれないにもかかわらず、喜んでその辞令を受け入れたらしい。現地に赴任するまで3ヶ月しかないなかで勉強した後に日本を発つ。現地に着いたものの、マレーシア人が話している英語はほぼ100%わからず、そして雇ったマレーシア人の間でやり取りされる言語(書面・口頭)の70%くらいはマレー語だったらしい。
それでも、数ヶ月たって工場内外で彼らと体当たりでコミュニケーションをしているうちに不思議と何を言いたいかがわかるようになってきたそうだ(彼曰く、正確に言語を理解するというよりも、何か言いたいかが”伝わる”という感覚が近いらしい)。日本で勉強していたときには頭の中にまったく定着しなかった語彙も、毎日使っていると不思議と忘れず、そのあたりから英語・馬語力がすごく伸びたと言っていた。
ようやく言語の壁を乗り越えたと思った次にやってきたのが、文化の壁。知ってのとおりマレーシアはイスラム教が国教であるため、生活習慣もその点に非常に強く影響を受けている。大変だったのは一日5回のお祈り。昼になると工場の機械を勝手に止めたり、問題が起こっていてもお祈りの時間になると完全に無視されるし、そこではかなりぶつかったらしい。雇用主と被雇用者の義務について話したり、懲罰をルールとして明文化したり、仕事に対する責任感を持ってもらうためにひたすらに話し込んだり、きっと大変だったことと思う。このあたりは「燃ゆるとき(小説・映画)」のメキシコ市場参入時のエピソードに通ずるものがある(Review@横浜遊学記)。
最終的に時代の流れにうまく乗った彼の会社は、大手からの受注を集中的にもらえるようになり、マレーシアの工場は規模拡大を続けた結果現在は1,000人規模になっているそうだ。それでも現地赴任の日本人は二人。その人数の少なさは逆に、現地に社会の一部として受け入れられ、うまく機能していることを示唆しているように感じられた。
余談だけど、現地で工場を建てるとそこは日本の領地になるらしい。よって、製品の納品先がが100m先にあったとしても、Invoiceを発行して税関を通す必要があるのだとか。他にも一つ現地での都市伝説的なえぐいエピソードを聞いたのですが、ここで書くには憚れらるのでまた後日。
これは家から会社までの15分で交わした会話なのですが、自分で経営していた会社がつぶれて地元から夜逃げしてきた運転手さんの話に次ぐインパクト。おしゃべりなタクシーの運転手さんの話が、みんなこんな中身のあるものばっかりだといいんですが…。
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金曜日。
9:00pmにオフィスを出る。いったん家に帰って約束の場所に行くも理不尽なドタキャンを受け、芦屋の山奥に住むメイクを落として寝ようとしている友人を電話で襲撃して三宮へ。肉を食らい、Barに乗り込んだもののそこはアメリカの治外法権地帯かってほど外人しかおらず、ちょっと強がって挨拶はしてみたものの、またくるよ的なセリフを残して5分で退散。
なぜかものすごーくテンションがあがっていたので、テレビを買いました。友人には、「衝動買いじゃないよ、テレビを買うことは最初から決めていたんだ!」と強がってみたものの(それ自体はホントなのですが)、まさか夜中の三時にドンキホーテで買うことになろうとは夢にも思わず。42型地デジ対応で¥139,800。安いっちゃ安い。あとは寿命がきちんと持つかだなー。
ところでこの”byd:sign Corporation”て会社、安いので「中国か韓国か?」と思いきや、元Dell Computer日本支社の社長が起こした日本発のベンチャー企業なんですね。無駄を抑えて利益を消費者に還元。そしてテレビ一本と事業を絞り、中国の工場をハブにしてアジア全域を商圏として捕らえているあたり、Dellで培われた精神を柱に日系大手と中・韓が鬩ぎ合うプラズマテレビ業界に切り込んで行くんだって気合が感じられるね。
とりあえずWebを見たんですが、大手にありがちな”なんでも乗っけてみました”感はまったくなく、必要なものが必要な分載っている印象。また、”購入前の相談Call”なんてなかなかユニークじゃありません?消費者センターとは違うんです。店頭でリベートを払って販売員にプッシュしてもらえない分、こういうところにコストをかけてPenetrationをあげていくわけでしょうか。競合他社との比較論もしてくれるのだとしたら、これは面白いサービスだね。むしろ、一メーカーがやるのではなくて、こういうサービスがもっとPenetrationの高いToolを使ってできればみんな結構使うんじゃないかな。Webでは価格.comとか@コスメとかあるけど、時間をかけずに、ほしい情報をピンポイントでくれるサービスがあったら受けるとおもうなー。
by hamp-stead
| 2007-07-22 20:37